背「柚流や。過労死を英語でなんというか知っておるかね」
柚「ええまぁ。英語でもカロウシ、ですよね」
背「うむ。日本独特の言葉なのだね。働きすぎて死ぬなんて外国では考えられんことなのだよ」
柚「で、それがどかしましたか?」
背「死にそう。マジで。」
柚「はぁ。この不況に忙しいとはいいことじゃないですか」
背「先生。何事にも限度ってものがあると思います」
柚「まぁそうですが」
背「柚流はわしが死んだら悲しんでくれるかい?」
柚「不可能ですね」
背「ひでぇ!即答かよ!」
柚「別にひどくはありませんよ。悲しまないといってるのではなく、不可能と言ったのです。そもそも私はあなたがいて初めて「私」として成り立つわけですから、あなたがいなくなれば私は何もできません。いわば植物人間になるようなものです。それは人として死と同じです。死んだものが他人の死を悲しむことはできませんよ」
背「いやまぁそうですけど」
柚「まぁ、私が死んでも誰かが悲しむとは思えませんが。」
背「・・・柚流や」
柚「なんですか、珍しくまじめな声を出して」
背「前言を撤回しなさい。君が死んだらきっと多くの人が悲しむ」
柚「・・・そう・・・でしょうか」
背「君はもうすこし、自分が他人にどう思われているのか、正確に理解するべきだ。君には悲しんでくれる友がいる。さっきの言葉は、そういった友達に対して失礼だ。もっと自分のそばにいる友を信じるべきだ」
柚「・・・できることなら・・・私だって信じたいですよ。でもなかなか難しいんですよ。裏切られた経験を持つ身としては、ね」
背「君の親は君を理解しようという努力を放棄した。だが君の友は違う。理解してくれている。理解しようとしてくれている。」
柚「・・・わかっています。わかってるんです。でも、難しいんです。私には!」
背「臆病で難儀な子だね」
柚「誰のせいですかね」
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